あみの中東縦断一人旅。

旅日記11 レバノン・ベイルート編「中東のパリ、洒落た地中海リゾート地と兵士」

 

今日は国境を越え、レバノンに行ってみる事に決めた。
レバノンではちょうどモハメッドの風刺画掲載に対する大規模な抗議デモや
暴動が多発しており、少し心配もあったけど、とりあえず行ってみよう。
トルコ・イスタンブールで沈没したから、旅のペースも上げないと。
レバノンからイスラエルに抜ける事はできないので、一度またシリアまで
戻ってこなければならない。だから重いバックパックは宿に預けて出発。
こういう時に役立つのがミニリュックサック。もちろん荷物は最小限で。

歩いてバスターミナルへ行き、なんとかレバノン行きのバスを発見。
シリアの首都ダマスカスからレバノンの首都ベイルートまで片道200sp(\460)
地元人だらけのバスの中で、たまたま近くの席に男二人旅の旅人を発見。
トルコinエジプトoutの私とは逆の、エジプトinトルコoutの北上組。
片方が中国の大連に留学してたとのことで、中国ローカル話で盛り上がる。
シリアからレバノンにはレバノン山脈を越えていくんだけど、景色が物凄い綺麗。
車窓からは真っ白な雪が残る山肌が見え、太陽の光で雪がキラキラ光ってる。
国境越えは手続きに時間がとられる事も無く、かなりスムーズにいった。

 

レバノン杉をモチーフにした入国スタンプが可愛らしくて気に入った。
出入国スタンプやビザが凝ってる国は、洒落てるなぁと思うわけです。
こうやっていくつかの山を越えたら、やっとのことでベイルートに到着。
ドルをレバノンポンドに両替する(1$=1500LL)レバノンのお札可愛い。
おもちゃのようなカラフルさと、デザインセンスのあるお札の模様に惚れた。
ちなみに「O・・・」が5000LL、「ヽ・・・・」が10000LL、「γ・・・・」が20000LL。
バスターミナルから海沿いを歩き、「Tala's New Hotel」を探す。
安宿の少ないレバノンで、数少ないパッカー宿だって口コミで聞いた。
同じバスの旅人二人組も偶然にも同じ宿探してたから、一緒にうろうろ。
人に道聞きつつ(英語が通じる!)、やっとのことで発見できた。
同時にチェックインしたから、三人部屋のドミがうちらで埋まった(笑)

 

とりあえず街探検に行ってみよう。一人ぶらりと散歩に出かける。
「pigeon rocks(ハトの岩)」という名所に向かって歩いていく。
レバノン・ベイルート。さすが「中東のパリ」と言われるだけのことはある。
街並みが今まで自分がいた中東の雰囲気とは全く違い、まさにヨーロッパ。
歩いている人もイスラムっぽくなくて、西洋的な顔つきや服装の人が多い。
シリアでは女性が黒いベールに包まれて、髪の毛を見ることもなかったのに
ここでは全く普通に暮らしている。ちょっと国境を越えるだけでこんなに違う。
建物も車も街並みも、全てが近代化。どこもかしこも整然としており上品な感じ。
街角にはお洒落カフェやレストラン。マンションの窓先には花が飾ってある。
これには本当驚いた。ベイルートがこんなお洒落な街だったなんて。
ただ、数十年前の内戦で瓦礫となった建物を作りなおし復旧したから、
こんなに整然とした都会の街並みだという。それも悲しく皮肉な事だけど。

 

ちょうど数日前にあった大規模デモの影響は、心配する程でもなかった。
ただ、街の至る所に銃を持った兵士がいて、見張りと警備が厳しかった。
1ブロック進むごとに、曲がり角の度に、必ず兵士の姿があった。
何人いるんだろうって思うくらい、そのくらい多人数で警備してた。
近代化したヨーロッパのような都会の街並みと、銃を持った兵士。
その異様なギャップが、深く、深く、印象的だった。

確かに、数週間前にアル・カイーダの犯行声明から派生したテロ未遂があり、
数万人規模のデモとデンマーク大使館の焼き討ちがあったばかりだし。
近代化しているように見えて、まだ「戦い」の中にある国なのかもしれない。
私が訪れたのが2006年2月。2006年6月にはイスラエル軍によるレバノン侵攻。
空爆で1000人以上の死亡者を出した。自分が行った場所だと特に、
国際情勢ニュースがどこか遠い「テレビの中の出来事」ではなくなる。
懐かしいあの場所、あの人達。他人事ではなく、自分の事として実感できる。
旅をして、世界が近くなる。

 

道を尋ねたら優しく教えてくれた兵士もいれば、私の身なりが怪しかったのか
通りすがりに呼び止められてカバンの中を荷物検査されたりも。
地図とペットボトルしか入ってないよ。爆弾なんて持ってないよ!><
都会だけあって、物価はかなり高い。そのため買い物もあまりできなかった。
歩いてるときに見つけたお店のフルーツパフェ2000LL(\150)が美味。
いくら歩いても歩いても海さえ見えない。遠すぎるけど根性で歩く。
2時間以上歩き続け、やっとのことで辿り着いた。遠かった・・・。
この海は地中海!!エメラルドグリーンの海が目の前に広がる。
ハトの岩よりも地中海が気に入った。綺麗な水の色。
伊勢で見た夫婦岩に似てるけど、かなり大きい上飾りつけがされている。



下まで降りて海の傍で座って、景色をずっと眺めて休んでたら、
隣で同じくのんびり休んでた地元レバノン人と仲良くなった。
アメリカに留学してるんだけど、長期休暇でベイルートに帰省中らしい。
お互い学生だから国際問題等についても語り合えたのが、収穫だね。
グミみたいなレバノンのお菓子を貰って、そろそろ宿に戻らないと。

遠回りだけど、海沿いのコルニーシュ(海岸通り)を歩いて帰ることにした。
小さな遊園地があり、ぼろぼろでがらがらだったけど、やたら気になる。
空を赤く染める夕焼けが綺麗。街の人達が笑いあって散歩してる。
子供が可愛すぎる。何匹も猫がごろにゃんしてる。椰子の木が風に揺れる。
のどかな、それは本当にのどかな、日常の中を歩いてた。
地中海の美しさ、洗練されたリゾート都市、復旧した都会。

 

レバノンといえばレバノン杉。国旗にもあしらわれてるくらい。
レバノン杉のキーホルダー発見して、かなり気に入った。レバノン記念。
5キロ以上歩いてくたくたになって宿に戻った。まだタクシー乗れない病。
ちょうど二人旅くん達も部屋に戻ってきたから、一緒に晩ご飯に行く。
しかし物価が高すぎてレストランに入れない。自炊しよっか、ということで
宿のオーナーが教えてくれた外資系スーパーマーケットに行ってみる。

道に迷って(しかも結構遠いし)、道行く人に尋ねること数回。
やっと見つけたスーパーは予想以上に立派で、何でもあったのに感激。
高いから自炊しようと思ったのに野菜も高いし、結局パスタに決めた。
ショーケースの中に日本みたいなケーキがあって、安いしつい買ってしまった。
暫く旅してて甘いケーキなんて久しぶりで、誘惑に負けてしまったのだ。
ショーケースの前でどれにしようかずっと迷ってる我々旅人、怪しかったろうな。




お腹をすかせて宿に戻る。物価の高さに自炊する人が結構多いらしくて、
宿のキッチン自由に使っていいよーって言ってたので、早速料理開始。
宿のスタッフのレバノン青年がちょっかい出してきて、わいわい。
先日のデモの写真を撮ったといって、オーナーが見せてくれた。
コーン入りミートソースパスタにエフェスビール。
デザートはケーキとレバノンコーヒー。
旅人と語り合う夜は楽しい。

明日はどこへ行こうか。
トリポリとレバノン杉は諦めて、バールベック遺跡に行く予定。

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