あみの中東縦断一人旅。

旅日記08 シリア クラック・デ・シュバリエ編 「中世ヨーロッパ、天空の城ラピュタの世界」

シリア・アレッポを離れ、次の町へと向かう。
バスターミナルまで歩いていったら、バックパックの重さが身にしみる。
遺跡の町パルミラを目指すも、バスが無かったため中間地点のホムスまで
とりあえず行く事にした。バス料金は95sp(\200)。水ボトルと飴もらった。
せっかくだからホムスの近くにある「クラック・デ・シュバリエ」に寄る。
十字軍の要塞だった城跡の中で、最も保存状態が良く美しいと言われている。
ジブリ映画「天空の城ラピュタ」のモデルにもなった場所として有名だけど、
今まで旅してた場所にもそんな場所が沢山あったからね。(−△−;
確かカンボジアでもラピュタのモデルになった場所に行ったなー。

ホムスについたら、25sp(\60)でバスターミナルにバックパックを預ける。
動くときは宿にバックパック置いとくけど、宿が無いときはこうやって
預けるのが身軽になって便利。カタコトのアラビア語でバスを探してまわる。
「クラック・デ・シュバリエに行きたい」というとタクシー乗り場に連れて行かれたり。
でもなんとかミニバスを発見した。「とりあえず乗れ乗れ」と言ってる(だろう)
運転手にせかされ、ボロいミニバスに乗り込む。中にはまだあまり人がいない。
ミニバスだから人が集まるまで出発しないようで、1時間待たされてしまった。
乗客がだんだん増えてきて、補助席まで全部埋まったらやっと出発。
運転手の代わりに乗客がみんなの分のバス代を集める。一人30sp(\70)。
見晴らしのいい一本道を、バスは中国のようにとばして、風のように進む。
狭いくねくねとした坂道を登っていくと、村人が一人、また一人と減っていき。

 

丘のてっぺんで降ろされた。クラック・デ・シュバリエの入り口はすぐそこだった。
平地から見上げるお城は、どこからでもその姿が見え、凛とした姿で佇んでた。
200spかと思ってた入場料は、日本の学生証出したら10sp(\23)になった。驚き!!!
学割って普通半分くらいかと思いきや、二十分の一って、ものすごい値引きよう。
同じバスだった現地の青年達(シリア人かな)がいたから一緒に周ったんだけど、
言葉が一言も通じなかった。英語も全く分からないようで、ここまで意思疎通
できなかったのは久しぶり。名前さえも聞く事ができなかったなあ(笑)
適当にお城の中をぐるぐるまわってみると、いろんな部屋があった。
ガイドも頼まなかったし、枝分かれの多い薄暗い通路は迷子になってしまいそう。
とりあえずアラビア語と英語併記の小さな案内板を見て、当時の様子を想像する。
食料庫、厨房、寝室、講堂、トイレ、礼拝堂、二重に作られた堀。
お城の一番上のテラスからは、シリアの広々とした大地が360度見渡せた。
肥沃な緑の大地の中で唯一の丘に立つ城、その圧倒的な眺めに思わず息を呑んだ。
まるで中世ヨーロッパのお城にいるかのような気分にさせられた、独特の雰囲気。

  

帰りのミニバスもまた、村をぐるぐるまわって乗客を集めてから出発。
どうやらこのミニバスは城に来る観光客より村人の交通手段が主みたい。
帰りのミニバスの中ではひたすらアラビア語(主に数字)を覚えるのに必死。
ホムスに戻ったら、その足でそのままパルミラ遺跡を目指す事にした。
バスチケット買って、何も食べてなかったことを思い出してトルコからお馴染みの
ケパブサンド(ケンタッキーのツイスター似の簡易食)食べつつ、バスを探す。
バスチケット買ったはいいものの、乗るバスがなかなか見つからなくて焦る。
(番号や行き先がアラビア語で書いてあるから、どれも同じに見えるんだもん!)
やっと発見して乗り込むと、なんと同じバスに旅人の南米くんを発見!久々再会。
ゆらゆらとバスに揺られ、窓の外には延々と荒野が続く。夕日が綺麗だなー。
パルミラ。シリアを代表する、ローマ帝国時の遺跡。世界遺産にも登録されている。
シルクロードの中継都市として発展。そうそう、中国のシルクロードも辿ったっけな。

パルミラに着いたころにはもう真っ暗になっていた。しかも道端の変な所で降ろされる。
バスは他の目的地に向かうらしく、道の途中で二人だけが降ろされ、取り残された。
自分が今どこにいるか分からないから、地図を見ても意味が無い。
周りに目印となるようなものも無いし、とりあえず勘を頼りに歩いて行く事にした。
現地の沢山の子供達が「ワーー!!」と騒ぎながら走ってきて、一気に囲まれた。
ツーリスト慣れしてるのか、英語が達者で、「Hello, what's your name? I'm...」
「Give me, Give me pencile!」などとみんなが話しかけてくる。
カンボジアのアンコールワットみたい。こういうのって、なんだかなあ。
(旅を重ねて、騙されないようになると同時に心がすさんで来たのかな)
一時間くらい歩いて、迷って、諦めかけて、やっとのことで宿を発見した。
思えばものすっごい街外れで降ろされてたんだなー。ひどいもんだ!

オフシーズンなのか他の旅人がいない。有名な安宿ニューツーリストのドミもからっぽ。
そろそろ他の旅人と情報交換したかったんだけどな。シリア入ってからずっと一人だし。
頼りたくないし南米くんと別々に歩いていくも、目的地は同じだから結局同じ宿通りへ。
客引きに連れられて入った「アル・ナヒル ホテル」、設備もまあまあだし、
交渉したらダブル6ドル(1人3ドル)で泊まれるみたいだから、南米くんとルームシェア。
旅人のだれもいないドミは鍵の無いシングルルームみたいなものだし、この方が安心。
シリアでおなじみ「チャイのサービス」を貰い、キリムで綺麗に装飾してあるソファで
宿のオーナーらしきシリア青年と喋ってた。そのうち告られ、迫られ、
「同じ値段でバストイレ&テレビ付きのシングルルームに変えてあげるよー。
しかも僕がマッサージのサービスしてあげるよー」と言われ、いろいろ。
なんか日本人旅行者なめられてる!!いち女子パッカーとして腹立たしい。

四回もバスに乗り移動続きだったせいか、今日はケパブサンドしか食べて無かったや。
腹ペコで近所のレストランに行く(閉まってたけど他に店が無いので開けてもらった)
ナッツの混じったご飯にチキンが乗ってて、それにヨーグルトをかけて食べる料理。
おまけと称して飲み物、ブランデーにラキと水を混ぜたものをくれた。
ラキはトルコにもあったんだけど、度数の高いお酒で水を入れると白く濁る。
パルミラはツーリストが多いのか、みんな英語がきちんと話せるのがこれまでとは違う。
ベドウィンの民族衣装があるからと言われてなぜか着替えさせられるも、
お尻とかいろいろ触られかけた。なんだこのシリア親父は!エロ親父じゃないか!怒
南米くんも「××はアラビア語で××と言うんだけど、君の国の言葉では何て言うんだい?」
なんて卑猥な言葉を言わされていて(笑)、こちらも精神的セクハラ被害にあってた。
レストランのオーナーも、宿のオーナーも、セクハラだー!!!!!
モテモテじゃん、なんて南米くんは茶化してたけど。「日本人」だからだよ。
日本人をなめるなー!と憤りつつ、はっきり断って、疲れたから早めに就寝。
彼とたまたま再会できて、シェアできて良かった。一人だともっと疲れそう。
明日は楽しみにしてた遺跡巡り!パルミラ満喫なのだ!!
(でも明日の遺跡でもセクハラがいっぱいだったのでした。)
現地人と一緒に城を探検してみる
立派な城壁は、保存状態も良好
棚田みたいなだんだんが、印象的
遠くまで見渡せる、のどかな空気
城壁、中世ヨーロッパに迷い込む
形が綺麗に残ってて、惚れ惚れする
礼拝堂跡に残る、見事な天井アーチ
シリアの伝統料理。美味!美味!
店に並ぶベドウィングッズの数々
 
 

BACK

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送