あみの中東縦断一人旅。

旅日記07 シリア・アレッポ編 「イスラム文化圏突入、アレッポ石鹸の古き良き町」

夜行バスに揺られて朝6時半にトルコ国境の町、アンタクヤに到着。
こじんまりとした町だけど、雪山が遠くに見えたりなんかいい感じ。
トルコリラもギリギリ足りるくらい余ってて、調度いい塩梅だ。
スーパーで5リラ程スープやトルコアイスの素を買ったら、丁度使い切った。
さて、そのまますぐに次の国シリアのアレッポまでのバスに乗り込む。
トルコ人かシリア人か分からないんだけど、ミニバスはともかく地元人だらけ。
トルコ人かシリア人かのおじさんに囲まれ、言葉も全く通じないよーー。

トルコ側の国境に着いて、ドライバーさんがジェスチャーで教えてくれるも
手続きもどこ行ったらいいかも分からないし。どうしたらいいか困った。
バスに乗ってる人のパスポート全部集めてて、手放したくなかったけど渡して、
パスポートがちゃんと戻ってくるか心配でドキドキしっぱなしだった。
なぜか出国時にアンケート書かされた。「トルコにはどのくらい滞在したか?」
「いくらくらいの宿に泊まったか?」「食事は一食いくらくらい使ったか?」
などが、用紙にびっしり英語で書いてあって。急いで答えて、出国完了。
なんか今までこんなのあまりなかったから、面白いなぁって思った。
トルコの出国手続きが終わったら、ミニバスにまた乗り込んで国境を越える。
バスで10分くらい走ってシリアの入国ゲートに到着。なんで離れてるんだー!
入国手続きも無事終わり、もちろんパスポートもちゃんと戻ってきて。
やっとシリア第一の都市、アレッポに到着しました!!!

バスターミナルじゃなくて道端で急に降ろされて、ここはどこだー!状態。
ここがアレッポかどうかも分からないし、どっち行けばいいか分かんないし。
人に道を聞くも、やばい、シリアって英語が通じないよー!!><
旅のバス移動中に勉強したアラビア語に切り替えて、やっと通じた。
数字もアラビア語だから、コインもお札も値札もバスナンバーも読めない。
という訳で、数字を中心に予習してた甲斐があったもんです。かなり助かった。
語学好きなもんで、アラビア語も独特ですっごい楽しい!と思う。
迷いつつも、探してたDamascus Hotelを発見してチェックインする。
アレッポの宿情報は少なくて、口コミでよさげだと耳にしたここに決めた。
でも、驚いた事に宿の従業員も英語が喋れないようで、必死にカタコト。
お互い英語とアラビア語のカタコトを駆使して、意思疎通できたような??
季節柄か宿泊者がほとんどおらず、ちょっと寂しい印象。

荷物を置いたら、町探検に出かけますか!
迷路のようなスークを抜けて、アレッポ城を目指す。
狭いスークの両脇に並ぶ商店、行きかうシリアの人々、荷物を引くロバ。
どれもが異世界のような、不思議な感じがする。アラビアの空気を感じる。
イスラム文化圏の女性達の多くが髪の毛を布やベールで覆って隠してる。
女性の肌の露出が制限されてる上、髪の毛も見せてはいけないもののようだ。
中には手、足、髪、顔、全部ベールに覆って全く姿が見えない女性も少なくない。
むしろあまり町で女性を見かけないような気がする。男性の方が圧倒的に多い。
そんな中、普通の服を着て、髪の毛だってベールで隠してない私は目立ちまくり。
みんなから奇妙な視線を感じる。注目集めまくりで、地元民からの視線が痛い。。。
すぐに上着のフードを被って、とりあえず髪の毛を隠してみる。これでどうかな。

道に迷いながら、迷ってるのを楽しみながら、やっとのことでアレッポ城に着いた。
天気が良くて気持ちがいい。丘の上にあるから、ででーん!と立派に見える。
アレッポといえばアレッポ石鹸が有名。日本でも最近紹介されてて流行りみたい。
外側が黄褐色なんだけど、切ると内側は綺麗な翠色をしてる、オリーブ石鹸。
石鹸の発祥地アレッポで生まれた、究極の無添加自然石鹸。
オリーブの質と量によって値段はいろいろ。素人目にはどれがいいか悩むところ。
お店の人と交渉して1kg/2ドルで購入。やばい、バックパックまた1kg重くなった(笑)
それにしても、シリアの物価は結構安い。トルコの後だから特にそう感じるのかな。
貧乏パッカーにとっては、物価が安いのはかなり助かるのでありがたい。
通貨の単位はシリアン・パウンド(Syrian Pound)。シリポンなんて呼んでた^^
1シリアポンド=100ピアストル (Piastre)。お札もコインもアラビア語で可愛い。
休日で銀行が閉まってたけど、街角に立ってる闇両替の人がよく両替誘ってきて
1ドル=53.5のレート提示されたりね。帰国して随分経つから若干忘れたけど、
今ネットで見たら、目安としては「1シリアポンド=2.3円」らしい。

お腹がすいたので宿近くの食堂でご飯。大皿に並んだ炒め物などを指差して注文。
なんだか一人ご飯って寂しいなぁ。なんて思ってたら店の前を通り過ぎた人たちが。
イスタンブールの宿で一緒だった旅人、おなじみ南米くん、新顔の旅人、の三人。
懐かしくて嬉しいのと、偶然の再会に驚いた。これからみんなでハマム行くらしい。
ハマムとは、古代ローマ時代から続く公衆浴場で、トルコやシリア等では定番なのだ。
お風呂とサウナで垢すりやマッサージがついてくる。なんとも極楽気分らしい。
私もすっごい行きたかったけど、男風呂と女風呂別だから一人ぼっちになるし。
身につけてる貴重品が心配だし、居残り。いいなーみんな。羨ましいなー。
トルコの方がハマム有名だけど、物価の関係でシリアの方が安く入れるみたい。
宿に人がいないと思ったら、他の旅人はSpring Flower Hostelに泊まってるらしい。
んー宿選び失敗したかなぁって思ったけど、実際はすごく思い出深い宿になったんだ。

ハマムに向かう旅人と別れたらそのまま一人アレッポ探検を続ける。
道端でいろんな美味しそうなものが売られてて、ついつい惹きつけられる。
見たこともないような不思議な食べ物には挑戦したくなってしまう。
どろどろのヨーグルトみたいな飲み物や、プリンみたいなデザートをつまみ食い。
どれも5〜10ポンドで、50円もしない程度だから気軽に食べれるのがいいねぇ。
生絞りオレンジジュースは25ポンドが相場みたい。店のおじさんが優しくて
まだ覚え切れなくて記号にしか見えないコインの数字の読み方を教えてくれた。

  そう、ともかくシリアは人が優しいのだ。
  シリア・ホスピタリティというのは有名だけれど。本当に凄い。
  人が優しい場所は、大好きだ。チベット、ラオス、そしてシリア。
  この三つに共通するのは、素朴な人の優しさに感動したということ。

夜は一人だしさっさと寝ようかなーなんて思ったら、
ロビーで宿の人に声掛けられた。なんだかお茶に誘ってくれたようだ。
ソファーに座ってトルコからお世話になってる、中東の定番「チャイ」を頂く。
ミルクを入れないストレートティーに、たっぷりの砂糖を入れて甘甘にして飲むのだ。
向こうの英語カタコトだし、こっちも本を見ながらカタコトのアラビア語だから、
あまりスムーズではないけど、お互いいろいろ話して、お喋りに花を咲かせる。
相変わらず感じるのは、ジェスチャーってこんなに役に立つんだ!ってこと
さっき買った石鹸の鑑定してもらったら、なかなか良い質だと褒めてくれた。
アラビア語の挨拶や、アラビア文字での自分の名前の書き方を教えてもらったり。
クルディスタンことクルド人もいて、クルド語まで教えてもらった。
今まで旅した国どこでもそうだけど、仲良くなった地元民に教えてもらうと
自分ひとりで本を読むよりもずっと効率的に言葉が覚えれるし、忘れないんだ。

旅してるといろんな出会いがあって、いろんな人にお世話になる。
その中でも地元の人との出会いは特別。知らない文化を沢山感じることができる。
言葉があまり通じなくても、こんなに仲良くなれたってのが、すごく嬉しい。
話し終わったら、共同シャワーで体洗ってから寝ることにしたんだけど。
シャワー室のドア閉めて、暫くしたらドアをノックする音が。何だー!??
ドア開けてみたらさっき話した中のおじいさんが、アレッポ石鹸を一欠片くれた。
今まで石鹸きれてシャンプーで体洗ってたし、なんか心遣いが嬉しいなぁ。
ちなみにこの石鹸、体だけでなく顔も髪も全部洗えるというすぐれものなのだ。
夜は結局他の旅人がいないため、共同部屋なのに一人部屋状態。
考えてみたら今回の旅で初めての一人部屋かも。静かな夜は更けていく。

そんな感じで暫く過ごしたアレッポ。すごく居心地が良い町だった。
こじんまりとしてて、スークの探検は楽しくて、歩いていろいろ周れて。
気ままにぶらぶらと歩いて、道端で売ってるおいしそうな食べ物をつまみ食い。
旅人の間でも「アレッポは良い」って絶賛だったけど、その気持ちが分かる。
宿の人とも、店の人とも仲良くなって、人がすごく優しくて。
そしてとうとう出発の日。チェックアウトしようとしたら宿の人が朝ご飯に
誘ってくれた。といってもロビーでチャイとパン&チーズのシンプルなもの。
チーズみたいな不思議な食べ物は魚みたいにちょっと生臭くてくせがあるし、
パンはこの上なくパサパサだったし、味としてはおいしいとは言いがたいけど、
彼らの心遣いが嬉しくて嬉しくて、私にとっては十分なくらいのご馳走だった。
この感じ前にもあったな。そう、中国・夏河でも同じような出来事があったっけ。
そしてお別れ。ありがとう。またね。「シュクラン、マー アッサラーマ」
アラビア色がどんどん濃くなってきた。中東縦断、まだまだ先は長いみたいです。
国境を越え、シリア・アレッポに到着。
お頭付きのラクダの肉が売られてた
スークの中は雑多な感じで面白い
かの有名なアレッポ石鹸。1kg購入
スークの黒と、空の青の、コントラスト
アレッポ城。存在感をすごく感じる
道の至る所に見られるアラビア文字
不思議な調味料とか売ってそう
晩ご飯。米に麺が混じってるのが定番

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