あみの中東縦断一人旅。

旅日記06 トルコ・カッパドキア編 「キノコ岩探検隊、雪山で遭難寸前!?」


マルハバ!(トルコ語でこんにちは)
今日は自分達だけでキノコ岩を捜し求めるのだ。いざ、探検に出発。
ハッサンくん、ムスタファくん&メレックちゃん、私の四人で探検隊。
オーナーのラマザンに教えてもらったトレッキングルート。
大まか過ぎて道すら書いてない適当な地図を片手に、軽く山越えスタート。
まず地図に書いてないルートの上、道が雪で覆われてよく分からない状態に。
人に道聞こうと思っても、すれ違う人さえおらず、周囲も人っ子一人いない。
勘と方向感覚だけを頼りに進んでいく。歩いてるとすぐに山の中に入ったけど、
相変わらず道は雪に覆われて真っ白で、いつの間にか逸れてるような気もする。
奇岩に囲まれ進むべき道が分からず、「これ明らかにルートじゃないだろ」
っていうような険しい坂登ったり、岩から飛び降りたり、もうまさに冒険。
みんな防寒対策ばっちりで帽子や手袋も準備してるのに、私は上着とマントのみ。
だって中東暑いと思ってたんだもん。エジプトあたりは今でも暖かいらしいし。
どんどん降って来る雪を防ぐためフードを被るも、冷たい指先はどうにもならない。
あまりの寒さにホッカイロも音を上げたのか、いつまでたってもぬるいまま。

途中どこを探しても道が無くなって、どうしようもない場所があった。
ちょうど崖になってる部分で、下の方を見たら、そこから先に進めそうな感じ。
もう後には戻れないし(道も分からない)どうしてもこの崖を降りなければならない。
傾斜がかなりきつくて危険な上、雪でつるつるしていてうまく降りれそうに無い。
「これ無理ー!明らかに無理ー!!」と叫びつつ、思い切って足を一歩踏み出す。
その途端、雪で滑って、崖から落ちそうになった!
慌てて近くにあった草を掴んだら、それは棘が生えてる植物だったみたいで。
手の平から流血。ひーー!血が出た!!その上滑った勢いで崖を転がり落ちる。
必死の思いで途中でとどまり、なんとか無事崖の下に下りることができた。
谷底まで転がり落ちたらどうしようかと思った。人間必死になったら凄いね。
探検隊の残りのメンバーといえば、崖ですってんころりん転がってる私を見て
爆笑しつつ写真撮ってるし(涙)こっちはもう死ぬかと思ったってのにっ。
チベットのナムツォで崖下りした時も、滑って死にそうになったこと思い出した。
どうも崖下りは向いてないのかもしれない。危険すぎます。

いつまでたっても着かない。道らしき道も見えない。奇岩に囲まれどこも同じ。
とりあえず山を越えることだけを目指して、あってるか分からない方向へ進む。
でも、その時に見た奇岩は凄かった。ガイドブックにも乗ってないような山の中。
真っ白な雪の大地の上に、見渡す限り岩がニョキニョキ生えてる。
そんな奇岩に囲まれて、奇岩の傍を抜けたり間をくぐったり、なんか面白い。
何時間歩いても全く進展が無く、雪も寒さもどんどん厳しくなるばかり。
立ち止まるともう動けなくなるんじゃないかって心配したけど、疲れたので休憩。
奇岩には穴やくぼみがいっぱいあるから、休憩するにはぴったりの形をしてる。
みんなで今自分が持ってるありったけの食料を出しあった。
ペットボトルの水、食べ残しのパン、数欠片のチョコレート、その他お菓子が少し。
みんなで均等に分けあって、ちょっとずつ食べる。全部食べたら後が心配だし、
なんて食料の等分方法まで考えてる自分達が笑える。これじゃ本当に遭難じゃん。
そんな危機だってのに、目の前に広がる景色にただただ感動してた。

途中ローズバレーを目の前にし、名前の通りバラ色の岩肌が美しい。
特に今は赤い岩肌と白い雪のコントラストが、なんともいえない雰囲気。
道を聞こうと思ってたのに一人も他の人に会うことも無く、下山した。
やっとのことで村らしき集落が見えてきた。とりあえずお腹がすいた。
温かいチャイとご飯食べて元気回復しなきゃ!と思って食堂を探す。
それにしても、この村、人っ子一人いない。建物のドアも閉まったまま。
食堂らしき店も全部閉まってて、ご飯も食べれないのか、とがっかりする。
雪の中を歩いていたので靴はぐっしょりと濡れ、足の感覚も無いくらい冷たい。
ここはどこだろう。オルタヒサルか、ウチヒサルのような気がする。

チャーターした車で周ってる旅行者を見かけ、「やっと人発見!」と追いかける。
イスタンブールで見かけた人たちを見かけたりして。いいなぁ車。
その旅行者が出てきた地元民用の小さなお店に、頼んで入れてもらった。
目の前にはストーブ。ここでチャイを頂いて一休みする事にした。
濡れた体が乾いていくからか、ストーブにあたると湯気が出てくる。
かじかんだ指も、感覚が無くなった足も、少しずつあたたかさに溶けていく。
本当、「生きてたよ!」って実感。笑
お世話になった店の人の知り合いが、なんだかついてきて案内し出した。
村の遺跡みたいな岩のてっぺんまで登って、そこから見た景色。すごかった。
カッパドキアで見た景色の中で、一番美しかった。感動して、感動して。
息を呑む美しさ、というのだろうか。遠くまで広がる奇岩、雪がつもる山。
この景色を見れたのだから。あの山越えも遭難も、十分意味があったと思える。



トルコに来て良かった。
カッパドキアに来て良かった。
こんな素敵な景色に出会えて良かった。

トルコおじさんと別れ際。懐からカメの形したメノウみたいな石を出してきた。
そして「1リラ、1リラ」と言ってきた。買ってあげたいのは山々なんだけど、
そのカメの形が全くかわいくないし、いらないよ。ごめん。
その後また人に会うことも無く、ただただ道を真っ直ぐ進む。
途中すれ違った景色たちも、それはそれはかけがえのないものとなり。
やっとのことで辿り着いた当初の目的地、パシャバーの「キノコ岩」
歩いて歩いて見つけた瞬間「やった!」って叫んでしまった。
少しずつ近づいていくのがもどかしくて、だんだんと早足になってる。

キノコの形が綺麗に残ってる。地元では「妖精の煙突」って呼ばれてるんだって。
梯子があるので岩に登って、穴の中から地上を見下ろし、妖精気分を味わう。
アスレチックジムみたいで、ちょっと面白い。登ったり、降りたり。
憧れのキノコ岩。辿り着くまで長かったけど、見れて良かった。満足。
帰りはもう道も分かんないし、もう歩けない。バスも無いからヒッチハイク。
交渉結果一人2.5リラでギョレメのオトガルまで送ってくれることになった。

ギョレメに戻ったらもうご飯しかないでしょ!お腹ペコペコ。
やっとありつけたご飯。食べ物のありがたみが身にしみて分かったよ。
熱々のメルジメック・チョルバス(赤レンズ豆のスープ)を飲む。
これはお気に入りのトルコ定番料理。味噌汁みたいな、お母さんの味。
赤レンズ豆を柔らかく煮たものに玉葱、トマト、牛乳等を加えて煮込んでる。
ライムかレモンを絞って飲むんだけど、独特不思議な味で、そして美味。
焼きたてのパン(シンプルだけど、めちゃめちゃ美味しい、最高のパン)
と一緒に頂く。寒かったし、空腹だったこともあって、美味しさもひとしお。
もうすぐ離れるトルコ、このおいしい料理と別れるのは本当もったいない。
トルコの食べ物、最高に美味しかったなぁ。未練感じてしまうかも。
ベトナムとトルコには、「何を食べても美味しくて感動するで賞」をあげたい。
ここのお店の人とも仲良くなって、いつもチャイをサービスしてくれた。
店去るときに情報ノートみたいなお店のノートに感謝の言葉書いてお別れ。
なんか小さな村だったからか、イスタンブールよりも人が優しかった気がする。
トルコの人は親日だから、みんな人懐っこくて優しいのもあるけど。

カッパ組の皆に見送られ、夜7時、シリアに向けて出発。
ギョレメからネヴシェヒルまでミニバスで移動して、そこで乗り換え。
シリア直行のバスが見つからず、地図を見つつ適当に南下してみる。
ネヴシェヒルからアクサライに行き、アクサライからアンタクヤ行きのバス。
有名な「METORO」は便が無いみたいで、別のバス会社に案内される。
言葉があまり通じなくて、分からない事だらけだったけどなんとか買えた。
夜11時発の夜行バス。例の香水振り掛けサービスやお菓子も貰って
やっぱり長距離バスのサービスが充実してるなーと感じる。
さて、もうすぐトルコとも本当にお別れ。テシェキュデエデリム(ありがとう)
次回、国境越えバスとシリア・アレッポ編。
誰もいない。道も分からない。探検。
ローズバレー?ホワイトバレー?
大自然のタケノコ岩に囲まれて。
タケノコ岩は近づくとすごく大きいのだ
ハトの岩。村人一人も発見できず
おっ!なんだかキノコっぽいぞ!
歩きつかれたけど、ハイテンション
やっと見つけたパシャバーのキノコ岩
奇岩によじ登って、洞窟から眺める
任務達成!感無量!な探検隊長!?
カッパドキアの素敵な冒険物語。

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