あみの東南アジアバックパッカー放浪記。

旅記15  カンボジア・アンコール編(U)「バイヨンの微笑み、遺跡巡りとクメールの夕日」



アンコールワットを見た後はまたトゥクトゥクに乗って移動。
思ったよりも距離があって、敷地内の広さに驚かされる。
途中渡った橋の欄干では、神と阿修羅がナーガを使って綱引きしてる
様子が表されてて、それがすごく気にいってしまった。アイデア賞。
つまり欄干を綱に見立てて、それを引っ張ってるように神がいるの。
アンコールトムに到着。まずは宇宙の中心・バイヨン寺院から見ることに。
至る所に大きな観音菩薩像の顔があって、本当数え切れないくらいの数。
どこにいたってどれかの顔が見えるし、観音菩薩の熱いまなざしを感じる。
それぞれが微妙に違う表情を見せ、でも共通してるのは不思議な微笑み。
モナリザみたいな不思議な微笑。吸い込まれる様に引き込まれて止まない。
アンコールワットを見たときはまだ朝早かったから暗かったけど、
だんだんと日が昇ってきて空が真っ青の良い天気になった。気持ち良い。



第二回廊を見ようと下の方に潜っていくと、暗くて狭くて迷子になりそう。
誰もいない場所で壁面の彫刻や井戸とコウモリ見たりして。
第一回廊のレリーフはどこにあるのか気づかなくて少ししか見れなかった。
(また後日3日目に来たときにじっくり見たから、その話は今度)
上に戻ると、昨日一緒にバーベキュー食べた旅人だとか、
ベトナムで何度かすれ違っただけのヒゲが印象的な旅人だとか、
宿で別れたはずのラオスくんとかに偶然再会して、ちょっと驚き。
一緒にまわってる兄さんの一人はずーっとバイヨンと見つめあってた。
その不思議な微笑みに魅了されちゃって、目が離せないらしい。
確かにその気持ち分かるかも。見てるだけで穏やかな気持ちになるんだよね。
顔の立体感が良いし、唇の厚みとか口角の上がり具合が完璧といえるくらい。
すごく気に入って去りがたかったけど、かなり長時間いて十分に満喫した。



ちょうどお店が立ち並んでたから、昼食取ることにした。
一旦宿に戻るとここから往復40分くらいロスしちゃうし、値切れたし。
物売りの子供達が物凄い。ご飯注文してから食べ終わるまでずっといた。
英語も日本語も喋れて、頭も賢くて、商売熱心で、物凄い勢いで。
1個2ドルくらいだったのが1個1ドルになって終いにはこれもこれもつけて
全部で1ドルだー!なんて大放出。それでも買わないって言ったら
じゃあ1ドルのところを4000リエルにしてあげる、って値段同じだし^^
買えないの、ごめんね、って言ったら子供に怒られてしまった^^;
食べてる間もいろんな子が寄ってきて、ポストカードだとか、
神々のミニ像、笛、竹で出来た玩具、腕輪、アクセサリー、などを広げる。
結局何も買ってあげることができなくて、かなり申し訳なかったけど。
貧乏パッカーじゃなく、ツアーの旅行客の方が買ってくれるかもです・・・。

その後はバプーオンに行くも、修復中で遺跡中心部には入れないみたい。
そこで2人の現地人に話しかけられる。いい写真スポットがあるらしい。
200mの空中参道の下の部分、潜ってみるとずらーっと並んでて迫力がある。
この参道は地上と天界をつなぐ虹の架け橋らしく、それに沿って歩いてると
さっきの現地人が頼んでも無いのに解説しながら少しついてきてる。
この時点であーちょっとやばいかもって思ってたら、予想通りガイド代の要求。
うまく話して結局そのままその場で別れた。続いては隣の象のテラスへと。
外壁には象の彫刻が延々と続き、立体的で可愛くてこれもまたお気に入り。
ガルーダのレリーフも綺麗に残ってて、えいやって持ち上げてる感じが良い。
内壁にも丁寧な装飾が残されてて、頭が5つある馬や象の鼻で遊ぶ子供など。
そしてそのままライ王のテラスへと。こちらの内壁も迷路のようになっている。
高さ6mにびっしりと彫刻されており、それが何層にも続いてるのが凄い。



移動しつつプラサット・スゥル・プラット、クリアン、プリア・ピトゥを
軽く見たら今度は反対側の森の中へ。テップ・プラナムで大仏を見る。
プリア・パリライに向かってるとき、ここでもまた物売りの子供に会う。
兄さんに向かって「オニーサン、カッコイイよ」って言って近づいてくるも
買ってくれなかったら「オニーサン、カッコヨクナイ」なんて言って怒ってた。
あと誰が教えたんだっていうような、悪い日本語とか。これはね、本当。
プリア・パリライはジャングルの中にひっそりと佇む小さな仏教寺院。
といっても整備や修復されておらず、木や草に侵食されるままとなってる。
タ・プロームみたいで、今まさに自分が遺跡の発見者になったような気分。
スポアンの木に邪魔されて入る事はできないけど、まさに神秘的。
そのまま王宮方面へ。この辺はマイナーだからか全然他の人を見かけない。
唯一男池を通り過ぎたとき、池で泳いでた現地の子供達を見かけたくらい。
王宮もあまり原型をとどめておらず、中心部のピミアナカスに登ってみる。
頂上からはまわりの森と、青空と、雲が見えた。結構疲れてきたのか
一度座ったらなかなか立てないで、そのまま空を見てぼーっとしてた。
雲が動くのをこんなにじっくり眺めたのなんて、一体いつぶりなんだろうか。
かなり長い事ここで空を見てのんびりしてたと思う。少なくとも30分以上。
人気の少ない森の中で、遺跡のてっぺんに座って、空を延々と眺める。



すごく贅沢な時間の過ごし方だと思った。そのとき、下の方に人が来て。
珍しいなぁと思って見てて、日本人かなーって話しかけてみたら違ってた。
なんとマレーシア人だった。2人いて、1人は英語、1人は中国語中心に話してて。
中国語で喋ってるのが何言ってるのかわかって嬉しかったもんで、
ついつい中国語で話してしまった(笑)そっか、中国語も話されてるんだ。
タイのあとマレーシアに南下するのもありだよなぁなんて思ったり。
重い腰を上げて、歩いてトゥクトゥクに戻ったらそのまま小回りで進む。
クリスタルの古老と呼ばれるタ・ケウは、装飾が無いカクカクした外観が
すごく印象的だった。今迄の遺跡とは違って無機質な硬い印象を受ける。
でもそれがまた逆に独特でイメージに残ってる。ここもまた巨大。
トゥクトゥクでまた長距離を走って走って移動。タプロームへ。



みんなが良いっていうので早く行きたかったタ・プロームに到着。
アンコールワットとは違い、木に侵食されても手を加えないままにしてある。
発見当時の姿のまま残されており、仙人が住んでそうな雰囲気が漂ってる。
壁を押さえつけ、まるで血管のように蛇のように木が石に絡まってる。
まさに自然の芸術であり、木のパワーの凄さってのを思い知らされる。
何年もかけて石をも破壊する力、崩れ去った遺跡の部分がいくつも見られる。
あまりに暑くて喉がかわいて、ついつい冷たい炭酸飲料に手が出そうに・・・。
東門から入って真反対の西門に出ると、今度はまた引き返して戻ることに。
さっき通らなかった道を通ろうなんて、細い横道ばっかり通ってたら、
いつの間にか崩れた瓦礫に道をふさがれ、前に道がなくなってしまった。
仕方ないので瓦礫の間を縫って道なき道を進んでると、いつの間にか迷子。
一人ぼっちだし、遠いのか人の声聞こえないし、これ以上進めないし、
かといって戻る道も分かんないし。中国昆明の石林で迷子になったときみたい。
誰もいないから助けが呼べなくて、どうしようってオロオロして焦ってた。
やっとのことでなんとか普通の道に戻れて、ほっと一息胸をなでおろす。
でもタ・プロームの神秘を感じるにはぴったりの中心部へ行けたので
自分的にはこれでよかったのかも、って幸せに浸って思ってみたり。



外に出るとお店でタイパン(紐で腰部分を結ぶズボン)売ってて、
タイよりも安いという事でみんな購入。Gパン暑いので役立ちそう。
バンテアイ・クディに移動。ヤギとか水牛とかいて、のんびりしてる。
倒れそうな遺跡を木で支えてるんだけど、それが今にも崩れそう。
うちらの他に人もいないし、のんびり見てると子供が集まってきた。
物売りの子は英語と日本語が喋れたりするんだけど、ここの子は
スペイン語も喋れて。ウノ・ドス・トゥレス・クワトロ・・・なんて言うから
驚いてしまった。で、一緒にスペイン語で数を数えて遊んだ(笑)
トゥクトゥク移動して、着いたのがスラ・スランという王の沐浴のための池。
トゥクトゥクから降りるたびに物売りの子供に追い掛け回されるー。
ここのテラスから見た景色が、本当美しくて息を呑んでしまった。
太陽やまわりの緑が池に映りこんで、なんともいえない色をしてた。
池の傍では裸のカンボジアの子供達がきゃっきゃと遊んでる姿も見られた。
トゥクトゥク移動して、着いたのがプラサット・クラヴァン。
小規模で簡単に見て回れるくらいの大きさだったけど、えらく気に入った。
全てレンガ造りの平地式寺院。内部のヴィシュヌ神、ラクシュミーの
浮き彫りもさることながら、カクカクとしたレゴのような外観に惚れる。
本当レゴを積み上げたみたい。シンプルだけどこの上なく綺麗。



そろそろ時間も程よくなってきて、プノン・バケンの山に夕日を見に行く。
アンコールワットとアンコールトムの間にある、高さ60メートルの山。
夕日を見る人気ナンバーワンスポット(大抵ほぼみんなココ)のためか、
今までそんな見なかったツアーの団体客も多い。バスがたくさん並んでる。
象に乗って山を登る人もいた。結構急な坂をはぁはぁ言いつつ歩いて登る。
アンコール遺跡群の中で最も高い位置にあるためか、360度大パノラマ。
神殿から西バライとクメールの大地が眼下に広がり、そこに沈む太陽。
まわりは沢山の人が集まって混んでる、みんな同じ方向を向いて待ってる。
雨季のカンボジアは毎日雨が降ってどうしようかと思ってたけど、
今日は本当に珍しく(多分カンボジア来てから初めて)雨が降らなかった。
おかげで夕日も綺麗に見えて。一日のクライマックスにふさわしい雄大な夕日。
大きくて真っ赤な太陽が、ゆっくりと時間をかけて西のジャングルに沈んでいく。
空自体も夕日の光を浴びてオレンジ色に染まっていく。悠久の時の流れ。
遺跡の中で、クメールの地平線に沈む夕日をじっくりと鑑賞して。
沈んだ後もそのまま余韻を楽しんでた。本当に運が良かったなぁと思う。



山を降りる頃にはまわりも暗くなってて、トゥクトゥクで宿に戻る。
今日一日お世話になった兄さん達二人ともお別れして、
(相乗りありがとうございましたー!)、一人晩ご飯食べに行く。
こじゃれたお店はどこも外国人向けで高めだったので、意地でそのへんうろうろ。
地元人しかいないような小さなお店で、英語も全然通じなくって、
頑張って喋ったカンボジア語もほぼ通じなくて、結局ジェスチャーで通じた。
料理もパンみたいなの一品しかなくて、それと懐かしいサトウキビジュース。
両方あわせて2500リエル。安くて驚き。デザートにカキ氷ゼリー混ぜ食べて、
マンゴスチン買って(1000リエルで5個、プノンペンより高い)帰って就寝。
さて、明日はどこまわろうかな。
当時のカンボジアレート
4000リエル≒1ドル(≒100円強)
モナリザのような微笑に引き込まれる
中心部は高い塔のようになっている
いくつもの巨大な顔、顔、顔・・・
第二回廊は人気が無く、薄暗い
バプーオンの空中参道(虹の架け橋)
象のテラス。象が可愛らしくてイイ^^
まっすぐと死者の門へと続く道
壁一面にびっしりと彫刻が施されてる
プリア・パリライにて。森の中に佇む
まるで今まさに遺跡を発見したかの様
木にすっかり侵食されてしまった遺跡
石を崩してしまうほどの力を持つ
黄緑色に光る苔が歴史を物語る
自分なんて小っさいものです
遺跡に埋もれてどうなることやら
スラ・スラン綺麗さにも感動したなぁ
テラスから空色の池を眺める
象でも登れるブノン・バケンの山
だんだんと日が沈んでいき・・・鳥肌!

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