あみの東南アジアバックパッカー放浪記。

旅記01青島・済南・天津編 「青島ビールと、恐怖の列車リターンズ」

旅が始まる。
いつもワクワクする瞬間だ。
昔は旅の前に情報収集もしてたのに、今回全く何もせず、でも不安は全く無く。
神戸と天津を結ぶ燕京号は4回も乗ったので(日にちにしてなんと合計15日間!)
乗り飽きた感もあって、今回は下関と青島を結ぶゆーとぴあ号に乗ることにした。
待合所では殆どが中国人、そして自分と同じようなバックパッカーの姿もあった。
船内に自転車持ち込んでて、これに乗ってイギリスまで行くっていうツワモノとか。
船に乗るとき、日本人に対しては「いらっしゃいませ」って出迎えてるのに
私に対してはなぜか「ニーハオ」。ちなみに降りるときも「再見」だったし(-0-)?
お昼ごろに出発!見送りのいない港に向かってバイバイして、
日本にしばしの別れを告げる。甲板は相変わらず強風で、潮風が心地良い。

船は一番安い二等室。雑魚寝なんだけど周り全員男の人だった。ま、いっか。
隣のおじさんに「ni shi zhongguoren ma?」と中国語で話しかけられて。
「bu shi, wo shi ribenren.」と返し、その後もしばし中国語で話してたら、
そのおじさんも日本人だったことが判明。青島に留学してるんだって。
その後船内をぶらぶらして、いろんな中国人に話しかけてお喋りして過ごした。
子供は相変わらず走り回って元気だし、可愛い赤ちゃんもいたし。
スポーツジムみたいな施設や映画放映するラウンジもあって、なかなか。
レストランのご飯は高かったので持参したパンをちびちび食べつつ。
自動販売機のビールとジュースの値段があまり変わらないのがいつ見ても不思議。
夜になるとカラオケもオープンした。燕京号は一曲100円だったけど、
ゆーとぴあ号は自由に歌い放題。中国人と日本人が入り乱れて(?)歌ってた。
夜。毛布とシーツが一枚づつで、敷布団にするか掛け布団にするか悩んだ挙句
こっそり余ってる毛布もう一枚もらって、シーツに挟まって寝ることにした。
でもクーラーが切ってあって、死ぬほど暑くて何度も何度も夜中目が覚めた。

翌日。朝ご飯は無料^^しかも日本食風だったのがなんか嬉しい。
昨日は夜中暑すぎて辛かったのに(あまりの暑さに一睡も出来なかった人も)
今度はクーラーガンガンで寒いし。毛布被って青島の地図とにらめっこ。
新たに大連出身の中国人と、旅慣れたパッカーの人と仲良くなった。
外では雨が降り出し、終いにはカミナリまで鳴り出した。大丈夫なのだろうか。
手持ちの食料がそろそろ底をつきてきて、船で絶食!?みたいな気分。
レストランで食べればいいんだけど、やっぱり高くてつい手が出ないのだ。
2等室の雑魚寝スペースでいろんな人が集まってわいわい話して。
東欧に行った人話とか聞くと、興味がかなり湧いてきて行ってみたくなる。
そして来年トルコで皆既日食があるみたいで、これもまた行ってみたい。
今回なんと1泊2日で中国に着くということで、いつもより時間が早く感じる。
待ちわびつつ、やっとのことで青島の陸地が見えてきた。
小船が進路塞いでるのか、煩い位に汽笛鳴らしまくり(やっぱり中国!)
潜水艦とか軍艦とかが港近くにたくさんあった。景色がちょっと霞んでる。
「青島港へようこそ」って書いてあるところに各国の旗が並んでるんだけど
なぜか日本の旗が無い・・・。船の定期航路あるのに、むむむ。(やっぱり中国?)

そして荷物チェックもなしにあっさり入国。多分半年振りの中国。
青島の街並みはドイツ風で、坂道が多くて、なんだか新鮮でいいなーと思った。
かなり衝撃だったのはビール屋さんでビールを買って帰ったお客さん。
なんとビール瓶ではなくスーパーのビニール袋にビールが入ってたのだ!!!
大量のビールをビニール袋に入れて、手提げて歩いてる人なんて初めて見たかも。
すごい!さすが青島ビールの青島。そういえば明後日からビール祭りだとか。
船で知り合った中国人が犬の肉を食べさせてくれるって話だったんだけど、
探すのも面倒だしなんやかんやで結局青島名物海鮮料理に変更になってしまった。
青島で青島ビールを飲む、ベタだけど自分はこれがやりたかった(笑)
内蒙古でも内蒙古アイス食べたし、味は同じなんだろうけど、気分が違うの。
注文お任せして「日本人が知らないような中国人のオススメ料理」を頼んでくれた。
これが本当激ウマで、あとはシャコとか貝とか新鮮な海鮮料理も最高だった。
唯一「うぉー!」だったのは幼虫っぽい虫。多分蚕の蛹だと思うんだけど。
頭の中で「これは豆、これは豆」、とイメージしながら頑張って食べてた。
たくさん食べてるうちにだんだん「微妙にイケるかも」とか思ってきたり^^;
そしてご飯を食べ終わったら船の友達ともお別れ。なんだか少し切ない。
一人になったら急に寂しくなって、自分の頬をぺしぺし叩いて気合を入れなおす。
「よし!行くか!」

青島を軽く観光。古い建物も小さな建物も、外国風なのが雰囲気がある。
日本だったら神戸みたいな感じかな。風見鶏の家とか鱗の家とか洋館が多くて。
あとは海水浴場。海の傍にある街だけあって、砂浜と海岸があって景色も綺麗。
広場とか山とか海洋世界とか見どころはいーっぱいあって、見きれないくらい。
ビール祭りがもうすぐのこともあってか、街はかなりの盛り上がりをみせてる。
青島にももっと居たかったんだけど、人と会う約束があったので天津へ向かうことに。駅に行ってチェックしてみたら、なんと天津行きの切符はどれも売り切れて無い!そういえば8月は中国人も夏休みで切符が全然取れないんだったよなぁ・・・。
覚悟してたつもりでもやっぱり困ってしまって。急いでるのにどうしよう。
考えた挙句とりあえず済南まで行って、それから列車乗り換えて天津に行く事に。
前回もウルムチからとりあえず済南まで行って、天津目指したの思い出したから。
といっても済南までの切符も売り切れてて、買えたのは「普快の席無し切符」!
28元というありえない激安さに疑問を抱きつつも、ま、いっかで済ませてしまった。
今迄長距離は自動的に特快とかが売られてたので、この時はまだ分からなかった。
普快がどんなに恐ろしく、その上席無しがどんなにハードかってことを。
前回空調無しの硬席60時間耐えれたことを考えたら、何でもいけると思ってた。

とりあえず列車に乗り込む。またかよ!っていうボロ列車で、空調無し窓開きタイプ。床で寝ようと思っても寝れないくらいドロドロ汚れてるし。人がやたら多いし。ずっと立ちっぱなしだったんだけど、あまりにキツくてちょっと弱音こぼしかける。一泊宿代浮かせようと思って夜行列車だから眠くなってくるし。でも立ってて眠れず。やっとのことで近くの中国人が「隣今は空いてるから座りなよ」って勧めてくれて、椅子にちょこん、と座らせてもらえた。疲れたー助かったー。と思ったのもつかの間、今度は暑さという問題が降りかかってきた。暑い暑い暑い!!列車が走れば少しだけ風が入ってくるんだけど、列車が全くもってノロノロスピード。これ自分で走ったほうが絶対に速いんじゃないかー、っていう位のありえなさ。しかも各駅停車くらいの勢いで何度も駅に止まって、ずっと停車したまま動かない。もうこの暑さには参ったね。体力が奪われていくし(座って寝にくい上)寝付けないし。自分の向かいにも席無しで立ち席なのに空いてるから勝手に座ったおじさんがいて。しばらくしたら「ここ、うちらの席のはずなんですけど、退いて下さい」とか言ってちゃんと切符持った子が現れて。しかもその達子2人組で、絶対私の席も入ってそう。せっかく座れたのにまた立つのー(>_<) と思って、寝たふりを続ける事にした。結構揉めてるみたいだったけど、いつの間にか話し合いできたみたいで収まってた。そして自分は席を死守する事に成功!(自分の席じゃないんだけど^^;)良かった・・・。普通の4倍以上時間がかかってる気がするし、頭がくらくらするくらい疲れ果てて。夜中に赤ん坊が泣き喚いてみんな目が覚める、という列車の定番もまたあったし。硬座(ハードシート)でもいろんなタイプがあって、特快とかのはソフトシート並みにちゃんとした椅子のことが多いんだけど、今回のは本当に板に布貼り付けただけレベル。お尻が痛くなってきて、でもトイレとかお湯汲みに行ったら席が取られそうだし、結局ずーーっと座りっぱなしだった。あまり寝れなかったけどウトウトしたりして。

早朝にやっと済南に着く。すぐに天津行きの切符を買うと、数時間後の立ち席切符だった。また席無し立ち席かよー!とちょっとうんざりしつつ。でも仕方ないか、となぐさめて。時間まで済南をちょっと観光?駅前は2回目。梨をガリガリ齧りつつ、食欲はあまり無い。待合室で待ってたら時間になっても列車が来なくて、なんだか30分遅れみたい。周りの人に「列車何時に天津に着くんですか?」って聞いてたら、「実家が天津なの?」って言われて。結局天津人としてその後も会話してしまった^^今回も席が無いのでずっと立ちっぱなしで。周りの人はどんどん空いてる席に勝手に座ってるんだけど、なんだかそれも気持ち的に申し訳なくって出来なくて。トイレの横でずっと立ってたら、「向こう空いてたから座りなよ」って誘ってもらった。斜め向こうの席のカップルがありえないくらいイチャイチャラブラブしてて。周り気にせずいろいろしてたもんで、向かいの席のおじさんとか可哀想だったな。で、この列車でも長い事かかって、やっとのことで天津に到着した。

ウトウトしてる間に乗り過ごしたんじゃないかって心配してたんだけど大丈夫だった。
周りの人に何回も「ここって天津駅??」って聞いて、言葉が分かるとこの辺便利。
天津西駅からすぐさま留学時代お世話になった「お兄ちゃん」の携帯に電話。
国籍は違うけど「妹ー」「お兄ちゃんー」って呼び合ってる大事な仲間。
明日一時帰国するらしいので急いで会いに来た。仕事場である開発区近くまで行って、サウナで待たされてさっぱりしたら、夜は他の皆も集まってくれて晩御飯。
すごい懐かしい面々で。中国人、他の国の人と、私と。このいつものメンバー。
前期はしょっちゅう集まってお互いの家に遊びに行ったり、わいわいやってたな。
みんな相変わらずの調子で、なんだか久しぶりって感じがしないくらい馴染んでた。
中国人&韓国人カップルがなんともうすぐ結婚するかも、とかおめでたい話もあったし。夜は家に泊めてもらって、今までろくろく寝れなかったしぐっすり爆睡。

起きたら連絡。私と同じ時期の留学生はほとんどもう帰国してるけど、
留学本科生、先生、働いてる人、あとは中国人の知り合いとかはまだいる。
前半の大学の懐かしの食堂で、久々の日本語学科の子とか留学仲間とご飯食べる。その後、のんびりと近所で買い物とかお喋りするうちに時間が過ぎていって、その日の夜はたまたま後半の大学の留学生のお別れパーティーで人が集まってるらしいので行ってみることにした。こちらもみんな相変わらず元気そうで、会えて良かった。そのうち一人がマッサージに行くというのでノリでついて行った。留学生でマッサージに通ってる人は多いんだけど、なぜか私は一回も行かずじまいで。せっかくなので足ツボマッサージやってみた。初マッサージにドキドキ。「痛い痛い痛いっ」を期待してたのに、いたって健康なのか全く痛くなくて。でも旅で疲れた足を癒すにはぴったりの心地よさだった。その上値段も安かったし。その後何日間かはのんびり買い物したり友達に会ったりして過ごした。自分が旅行中なのをすっかり忘れて、まるで留学時代に戻ったかのような気分。でもずっとのんびりしてる訳にもいかず、とうとう天津出発の日が来た。

なんと朝から急に大雨。むしろ暴雨。みるみるうちに道が水で溢れ川状態になる。
相互してた仲良しの中国人の家に寄る約束だったんだけど、大変だった。
車が動かないくらいの道が大水川状態で。スコールみたいにびしょ濡れ。
家の中は真っ暗なのに電気をつけない。これが中国人の一般的な習慣なんだって。なるほど!逆に中国人からしたら昼から電気つけてる日本人が無駄遣いに見えたんだとか。なるほど!この日は彼女の父親もいたし(天津弁バリバリ)、時々まじえたりしていろんな話をした。日本と中国の戦争、南京大虐殺、小泉首相の靖国参拝、新しい教科書問題、油田問題、魚釣島と領土問題、台湾の独立、チベットの独立とダライラマ、一人っ子政策、などなど。今まで聞けなかった事も含め、本当に腹を割って話して、日本とは違う考えも聞けた。特にお父さんが鋭い質問を何度もしてきて、少しハラハラした場面もあったりして。でもここまで本音で話しあえた事は自分にとっても大きな収穫だった。夕方、父親に「ここに泊める事はできない。あなたは無計画だし女の子だし」と言われ。私がこの後どこにいくかもちゃんと決めてない私に、腹を立てたみたいだった。多分。
家からバス停まで送ってもらうことになって、彼女の父親は怒りながらも、
「他の人から貰った食べ物、煙草、酒には注意して、絶対口にしない事」とか
「カバンはそんなんじゃダメだ。しっかり持ってないと盗まれてしまうぞ」とか
心配してるのが伝わってきて。バスの扉が閉まる瞬間「サヨナラー」と日本語で言われて。(朝、知ってる日本語といえば「トリダセーカネダセー」って言ってたのに。←日本鬼子?−−;)本当涙が溢れてとまらなかった。胸がいっぱいになった。
彼女の方も、いつも私の事を一番の親友と言ってくれて、本当に嬉しかった。

天津駅に着くも、当日の列車の切符はどこ行くにしても全部売り切れ。
落胆しつつ天津西駅に行くも、ここでも全然切符が買えない。ほぼ売り切れだらけ。
中国のガイドブックも無いし、持ってるのは一枚の小さな中国地図。
それを見て南の方の都市を一個づつ聞いてみるんだけど、どれも売り切れで無い。
やっとのことで翌朝西安に行く切符があって、やっぱり西安行きたい!と思ってそれ買う。西安には前回列車通ったのに時間が足りなかったので、やっぱリベンジしたくて。でも外は大雨で切符もなかなか取れなくて、だんだん旅行なんてどうでもよくなって、一人ぼっちで辛くて寂しくて不安だらけで、日本に帰りたくてたまらなくて。とりあえず別の友達に電話して急遽泊めてもらって、朝出発することにした。

雨はやんでたけど道は川状態のままで、靴もズボンもジャボジャボになって歩く。
(天津は雨がほとんど降らないので道に排水機能がついてない)
天津から西安まで1泊2日の列車。相変わらずの硬席。まぁ座れただけマシかな。
今回空調ついてると思ったら濡れて寒いのにクーラーガンガンで。
なんで空調つきの列車っていつもこんなありえないくらい寒いんだろう。おかしい。
出発のとき急に不安になるのも、雨降って長距離列車でクーラーガンガンなのも、
まるで一年前の中国旅行と同じ。違うのは携帯持ってなくて本当に一人だってこと。
防寒着ほとんど無いため、タオルと布を体に巻きつけて保温しつつ眠る。
朝目が覚めて、でもいつまでたっても西安に着かないので不安になって
周りの人に何時につくか聞きまくる。(なぜかみんなの答えがバラバラだし)
そのうちに駅員さん?車掌さん?と仲良くなって、ずっとおしゃべりしてた。
長距離列車、最後の方になると暇になってくるのかいつも喋ってる事が多い。
おすすめ観光コース紹介してくれたり、親身になって旅行のこと考えてくれて。有難い。でもこの列車とまってばかりでノロノロだった。車掌さんの話によると本当は天津-西安16hでつくのが、この列車はノロノロ列車なので22hもかかってしまうそうだ。やっとのことで西安に到着。無事兵馬俑を見ることは出来るのか!?
ゆーとぴあ号出航。甲板の潮風が気持ちいい。
なんと潜水艦発見!これが日本に来たやつかー!?
「青島港へようこそ」って日本の旗はどこだー!?
軍艦らしきものがすぐそばに。船員さんもよく見える。
さあ、ここから好きな海鮮選んで調理してもらうのだ!
青島でビール祭りといったら青島ビールでしょ♪
シャコらしきもの。アツアツのうちに頂きましょう^^
虫?蚕?まあゲテモノには果敢に挑戦しないとねっ
青島の街並みは西洋風、ドイツのようでお洒落
青島の海は比較的綺麗。カーブを描いたビーチ
酷い列車隠し撮り。降りる前だからマトモに見える。
済南駅。ここに来るのも2回目だなー。しみじみ。

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