あみの東南アジアバックパッカー放浪記。

旅記03桂林・陽朔編 「奇峰サイクリング、洞窟探検泥プール」


夜中の12時過ぎにやっとのことで桂林到着。あわただしく列車を降りる。
桂林に着いたんだけど、まずはすぐに陽朔に行きたかった。
そこは桂林よりも山水画のような山に囲まれ、漓江下りの終点となる街。
聞く所によると西洋人向けカフェも多いバックパッカーの街らしい。
陽朔行きのバスは恐らく朝6時出発。んー時間が中途半端だしなぁ、と思って。
「この際、駅で夜をあかしてしまえー!!」とすぐに決定。
宿代を浮かせるため夜行で移動したり、駅で夜をあかすことは私にしたら珍しくない。
特に駅は人も多くて紛れ込めるし、屋根あるしで、よく利用してるんだよね。
乗客に紛れて荷物チェックして二階にあがる。深夜1時でもそこそこ人がいる。
ちょうどベンチが連なってたので、疲れてたしそのまま横になって眠ってた。
「ガンガン!」
「!?」
駅員さんが棒で椅子を叩いて、その音ではっと目が覚めた。
「列車に乗らないならさっさと出て行けっ」と迷惑そうな顔で言われる。
「は、はいっ」と慌てて緊張してしまう。
最後の列車が出るようで乗客はすでにまばらになっており、私と同じような人も。

その時急に大声で女性のわめき声が聞こえた。なんだろう、と改札の方を見ると
一人の若い女性が列車に乗ろうとするのを、中年の女性が体を張って阻止してる場面だった。
その女性はこれでもかってくらい半狂乱になって泣き叫び、列車に乗ろうとしていた。
最低でも20分は暴れてたと思う。言葉にならない言葉で泣き叫んでた。
すでに乗客が乗り込んでルルルルル・・・と発車のベルが鳴っても諦めようとせず、
暴れて、殴って、それでも通れなくて、泣いて、怒って、声の限り叫んでた。
近くにいた中国人に「彼女、何て言ってるの?」っていきなり聞かれたけど
ネイティヴに聞き取れない中国語が分かるはずもなく、「分からない」と答えるのみ。
私と同じく駅で寝ようとしてた人が5、6人いたんだけど、みんなそこに釘付けになってた。
「さぁ出てった出てった」の声に我にかえって、その場を去ったけど。
どういったわけで、彼女にはどういった背景があったんだろう。

さて、入り口も閉められて、これから一体どうするかな。確か時計の針は2時前を指してた。
これから朝まで宿に泊まるのはもったいないからナシだよなーと即思った。
地図もないし夜中に一人で歩くのは危ないから、結局駅前から動かないまま。
「よし、ここは野宿しかない!」
でもやたらと虫が寄ってくるし、なんかだんだん寒くなってくるし。
ああシュラフがあればよかったのに・・・ってそれもおかしいおかしい。
追い出された人もどんどん減っていき、そのうち2、3人が残るのみとなった。
その人たちもここに座ってこのまま待つみたい。他に人がいると少し心強いね。
パスポート等一番大事なものは盗られない自信あるけど、やっぱり寝てる間の
外のカバン類が心配になる。盗難防止にショルダーバックをお尻の下に押し込んで、
バックパックを両手で抱えるようにして眠る。体勢が悪いのか何度も目が覚めてしまう。
たった何時間我慢すればって思ったけど、時間をこんなに長く感じたのもいつぶりだろ。
コンクリートの地面から伝わってくる冷たさがどんどん体に広がっていく。
夏だからって油断してたけど、特に朝方の冷え込みは半端じゃなかった。
このときは気づかなかったけど、後日風邪をひいたのでした(きっとこれが原因)

やーーーっとのことで朝。ああ、待ちに待ってたよこの時を・・・。
うろうろしてたらそれっぽいバス発見。「どこ行くの?」って聞かれて
「陽朔行きのバス探してる」って言ったら「それならこのバスだよ。乗りな」だって。
6時くらいに乗り込んだんだけど、人いっぱいになるまで出発しないから、
結局7時くらいまでずっと動かないまま。まぁ中で結局座席で寝てたからいいんだけど。
桂林→陽朔間は多分1.5hくらい。普通のバスはバスターミナルまで行くんだけど、
このバスは陽朔が終点じゃなかったらしく、適当なところで降ろされる。えぇぇぇー。
で、地図みても自分がどこにいるのか分かんないから人に道訊きつつ歩いていく。
バスターミナルからはかなり距離があったみたいで、やたら長かったし。
行くまでの間、十歩進むごとに一人の客引きが声をかけてくる。そんな感じ。

目指すは本に載ってた中で一番安い10〜15元の四海飯店。やっと見つけたのにドミ満室。
仕方ないのでさっきまで断ってた客引きさんにいろいろ連れてってもらう。
でもどこも比較的高くて。懐かしいユースホステルがあったので値段聞いたら25元。
一応部屋を見せてもらったら、薄暗い部屋の中に半裸の西洋人男性だらけ。
微妙な雰囲気が漂ってたし、ちょっと予算より高いので別のところをまた探す。
近くの客引きみたいな人が一緒になって宿を探してくれて、助かるんだけどどこも高い。
今ならなんと160元だとか、一番安いドミトリーで40元だとか。困った困った。
とりあえず近くの宿は一通り回ったけど、うむむ・・・と悩んでたそのとき。
裏通りの入り口に「背包客桟/Monkey Jane's Guesthouse」の文字と猿のイラストが。
猿のイラストの可愛らしさに心ひかれ、矢印に従って奥へ奥へと進んでいった。
1泊15元で宿としては結構安い方だし、部屋もまあまあだったので即決定。
一緒に探してくれた人に、これからサイクリングに行かないかって勧誘されたんだけど、
とりあえず久々の宿でゆっくりしたかったので、断ってしまってお別れした。

いやー、宿に泊まるのなんて何日ぶりだろう本当。よく考えたら天津出発して以来、
ここまでちゃんとした宿に一回も泊まってないんだよね。(中国では初宿)
二段ベッドの上で板の上にシーツ状態の硬さだけど、幅広めでまあまあかも^^
4人部屋だったんだけど、中国語と英語交えて喋ってたから何人だろ?と思って。
出発しそうな二人の男女は聞いたら香港人で、もう一人の男の子は多分西洋人ぽかった。
で、ちょっとだけ話したらもう出発して、いい人ぽかったのに残念無念。
西洋人ぽい人に話しかけてみた。
「何人ですか?(中国語)」「あ、ぼくのこと?日本人です(中国語)」
「え、日本人?てっきり西洋人かと!うちも日本人なんですよ(中国語)」
「え、あれ、本当?(中国語)」「はい、本当です、どうもどうも(中国語)」
なんていう風に日本人だったのにお互いずっと中国語で喋ってたという謎。
天津出発して以来しばらく中国人になりきってたもんで、日本語も久々かも。
(周りが気づかないで勘違いするからあえて訂正しない悪い子。笑)
中国語全く分からないまま中国に来て3ヶ月目なのに結構喋れてるのがすごいと思う。
ジャグリングをして世界をまわりたいっていう「ジャグリングの伝道師」←命名。
前回折り紙を広めて世界を旅してる「折り紙の伝道師」もいたし、世の中広いもんだ。
私もジャグリングを教えてもらったんだけど、お手玉より難しいよこれー。

ちょうどご飯食べに行こうと思ったらかぶったので、せっかくなのでご一緒することに。
安い良いとこがあるよーって案内してもらったのが2元の桂林米線。
米線を食べると「あぁ〜南方に来たなぁ」と思う。昆明の過橋米線を思い出すからかな。
これまた久々のちゃんとしたご飯かも。高菜系の具材も入って美味しかった。
宿に戻る途中、なんとさっき一緒に宿を探してくれた人にたまたま再会。
サイクリング、川下り、洞窟などいろいろ勧められて、せっかくなんでそのまま
ジャグラーくんと一緒に行く事に!(旅はいつも行き当たりばったりだね☆)
「押金で200元出したのにわざと壊れる自転車だったため帰ってこなかった」とか
悪い噂聞いてたもんで、押金が無い方がいいかもってことになって。
そのガイドさんが一緒に来たら自転車見てるから押金いらないって話になって。
てかうちらは本当に客として悪いやつらだったと思う。申し訳なさすぎ。
値切り倒した挙句、ボートとか洞窟はお金がかかるからやらないと言って。
客引きみたいな人=ガイドさんが半ばやけくそ気味に(?)そのままついてきてくれた

自転車でサイクリングだやっほーい!やっほーい!
桂林のあの有名な山水画みたいな尖がった山々をすり抜けながら自転車で進む。
天気は晴れ。空は青く。日本ではありえないくらいの奇観に目を奪われて。
こんな近くで見れるとはっていうくらい迫力がある山々の姿だった。
一般的なルートだと全部自転車だと大変なので途中で川下りするらしい。
竹のイカダに自転車つんで川下りするの。興味あったけどさすがに何百元はちょっと・・・。
というわけで、途中からはサイクリングコースではなく、細い山道みたいなとこを通る。
川沿いなので時々川下りしてる人が見えて、ああいいなーとか思ってみたり。
でもこちらの道も風景が綺麗で、人もほとんどいなくて、すごく楽しめた。
ガイドさんは毎日自転車ガイドしてるらしく足腰も強くて、坂道でも座りこぎ。おぉ!
あまりの暑さに途中で何度か休憩しながら、ちょっとゆっくりペースで進んだ。
相変わらず山の形に見とれちゃって、あとは田んぼの稲の緑がまぶしくて。

いろいろ見て回ったらやっとのことで有名な月亮山に到着した。
山の真ん中に穴が開いてて満月みたいだからこんな名前がついたみたい。
ガイドさんは道案内してくれるだけじゃなくていろいろ名所の説明もしてくれて、
そのうちずっとお喋りしながらサイクリングしてた。本当いい人なんです。
水飲んで一休みのはずがジャグラーくんのビールにちょっとつきあわされ^^
で、そこに菩薩洞窟があって。なんと洞窟の中でドロ遊びが出来るという場所。
最初は高いので入る予定なかったんだけど(お互い貧乏旅行者なので頑固/笑)
ガイドさんが半額の半額くらいの凄い安い値段にしてくれたため、それなら、と。
(マージン入るのかな?)急遽入っちゃう事になりました。なんと驚きの展開。
入り口で水着買って。変な柄しかないけど、その中からなるべくマトモそうなのを選ぶ。
セパレートタイプで、ハイビスカスっぽい柄。生地はペラペラだけど安いから仕方ない。
水着に着替えたら早速出発!ガイドさんが荷物持って待っててくれるんだけど、
パスポートとか一番の貴重品はやっぱりどんなときも身につけないと心配なので
そのまま持って洞窟の中に入る事にした。水着のまま歩いて山の方に向かっていく。

山の中腹にぽっかりと穴があいてる。ここだな。懐中電灯とヘルメット装備したら準備OK。
迷ってしまうといけないので、何人かのグループに分かれて案内してもらうみたい。
うちと同じグループだったのは、西洋系(ドイツっぽい)の家族親子連れ。
そのためかうちのグループのガイドさんの説明は中国語じゃなくて英語だった。
あー中はすごく涼しい!外が暑くて汗だくだったためか、この冷気が心地よい。
鍾乳洞の中を歩いていくんだけど、なかなか見ごたえのあるのが多くて感激。
虎岩だとかおっぱい岩だとか仏の形した岩だとか、いろいろ十分楽しめた。
中は電気が全く無いためか真っ暗で、懐中電灯で照らさないと見えないんだけどね。
日本のコースじゃありえないよコレってくらい無謀なコースだった。凄すぎ。
まさに自然の鍾乳洞そのままで、何も手を加えてないから道もグネグネ。
すごく狭くて何度も頭を岩にぶつけたし(ヘルメットありがたし)足滑って捻りそう。
膝まで水があってじゃぼじゃぼ進む部分も多かったし、道無き道を進んでいった。
入れるのかな?って小さな穴の中入ったり、高所恐怖症なら降りれないような傾斜とか。

そして一通り案内されて探検したら、最後はメインのドロドロ沼へと!
この泥、そんじょそこらの泥とは違う。ものすごい質の泥なのだ。
洞窟の中だけにある、キメの細かい泥で。例えるなら泥パックみたいな。
(聞いた話本当にパックと同じような美容効果があるらしい)
ニーバーユーって言ってたから多分「泥把浴」だと思うんだけど(自信なし)。
この鍾乳洞の泥池になんと水着で入って泳げるし、鍾乳洞が天然滑り台状態。
ひー。ここまで鍾乳洞と触れ合うなんて。早速足を踏み出すと、すごいヌルヌル感。
例えるならコケがいっぱい生えてる石みたいな、そんな感触で滑りまくり。
やっとのことで肩までつかってみると、すんごい不思議で奇妙な感覚。
例えるならヨーグルトと蜂蜜が混じったぬめる液体の中に放り込まれたような感触。
奥の方に行くと純度高すぎて泥に体中囲まれてるのが肌でひたすら感じ取れる。
もし普通の泥水だったら、手とか体も水から出したら結構普通なんだけど、
ココの泥は手をコーティングして。例えるならチーズフォンデュみたいに包まれてる。
んー、例え話が多い(笑)でも本当にこの不思議感は言葉じゃ表しきれないっ。
西洋系の人たちはテンション上がりまくりで、ばしゃばしゃ水掛けあって騒いだり
ワン・トゥー・スリーで水ばっしゃーんって倒れて潜り込んだり、ものすごい。
貴重品(持って泳いでる/涙)だっていつのまにかドロドロになってしまった。

隣の綺麗な水が溜まってるところで泥を洗い落とすんだけど、
この泥、キメが細かいだけあってかなりの曲者。洗っても洗っても全然落ちないのだ。
そうこうしてるうちに同じグループのドイツ人一家を見失ってしまい、なぜか単独行動に^^;
中途半端な間に挟まれてしまったのか、周りには人影が無いし。
真っ暗な道を電池がきれそうな頼りない光の懐中電灯一本で進む。
「こっちの道でいいんだっけな?見覚えないんだけど」とか言いつつ進んでいく。
最初洞窟に入ったときは気持ちよかった冷気も、
水に浸かって冷えた体にはこたえはじめた。結構肌寒い。
一本道だったときはまだいいんだけど、十字路みたいな分かれ道にきたとたん、
「やばっ、どの穴か分かんない。もしかしてこれ遭難!?寒いし。」
とちょっと焦りだす。一度中国人団体グループとすれ違ったものの
(狭くて急で危ないため横でよけて通り終わるのを待ってた)、
同じ方向へ向かう人いないしー。いろんな横穴ちょっと入っては出てを繰り返して
やっと出口方向の道を発見!やった!でも一本入ってない場所があって、
せっかくだからそこも見てから出ようかなと思ったその時!

やっと出口に向かうグループがやってきた。
で、危ないからと一緒に出口に向かわされてしまった・・・。残念なような、安心したような。
外に出ると、光がま、まぶしい!!太陽っていいなぁとしみじみ感じて。
水着姿のまま田んぼ道を少し歩いて戻る。そこでシャワーを浴びたんだけど、
泥が全くもって落ちない!泥パワー凄すぎ。
(何十回も洗濯したけど、この茶色は今でも取れてない)
貴重品大丈夫だろうかってチェックしようとして、なんと袋が開かないし。
なんとファスナーの隙間に泥粒子が入ったみたい。えー開かないと困る!
破ったらこの後使えなくなるし。って焦ったけど、シャワーの水をかけながら引っ張って
なんとか頑張ったら開きました。とりあえず中のチェックは帰ってからにしよう。
何時間も遊んでたのにガイドさん待っててくれた。この後もまだまだサイクリングは続く。

(1元≒14円)
桂林駅。この駅前で寝た
 
陽朔の街並み。麗江に結構似てるかも
 
ちなみに夜はこんな賑わい!!
 
町の傍にはすぐに山がそびえ立ってる
 
山壁に沿って、民家
 
古い中国っぽい感じの村
 
川面に映る山がいいね
 
サイクリングやっほーい!天気がいい
 
まわりは田んぼでのどか
 
自転車の道はまだまだ続く
 
自転車ごと川下りできるそうだ
 
その辺にあったイカダ
 
このトラックでイカダを川上まで運ぶ
 
月亮山が見えた!!
 

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